はじめに：ファーウェイ蓄電池が選ばれる理由
太陽光発電の売電価格低下や電気代高騰により、家庭用蓄電池への注目が高まっています。その中でも、ファーウェイの蓄電池LUNA2000シリーズは、高性能でお手頃な価格として大きな注目を集めています。
ファーウェイ(Huawei)は、太陽光発電システムに欠かせない装置であるパワーコンディショナにおいて、2015年から2019年まで世界シェア率1位という記録を残しています。この技術力と実績をもとに開発された蓄電池は、従来の日本製蓄電池とは一線を画すコストパフォーマンスを実現しています。
この記事のポイント
- ファーウェイ蓄電池の基本性能と特徴
- 他社製品との価格・性能比較
- 導入時のメリット・デメリット
- 補助金活用方法と購入のコツ
ファーウェイとは？会社概要と蓄電池事業への参入
企業背景
ファーウェイは1987年に中国で設立され、通信事業者向けのITインフラ設備やクラウドサービスの提供、そして消費者向けのスマートデバイスの販売を行ってきました。スマートフォンで世界的に有名な同社ですが、実は太陽光発電分野でも圧倒的な実績を誇ります。
太陽光発電分野での実績
太陽光発電事業には2013年に参入し、パワーコンディショナの分野で急速に販売台数を伸ばし、2015年から2019年には世界シェア率1位という記録を樹立しています。この技術力の蓄積が、蓄電池開発の基盤となっています。
LUNA2000シリーズ｜ファーウェイ蓄電池の基本仕様
製品ラインナップ
蓄電池1台の容量は5kWhですが、10kWhや15kWhの組み合わせができて、かつ全負荷でも特定負荷でもお客様の好みでカスタマイズできるのが特徴です。
| 容量 | 型番 | 特徴 |
|---|---|---|
| 5kWh | LUNA2000-5-NHS0 | 一人暮らし〜小家族向け |
| 10kWh | LUNA2000-10-NHS0 | 標準的な家庭向け |
| 15kWh | LUNA2000-15-NHS0 | 大家族・オール電化向け |
主要スペック
安全性能
- 蓄電池の中身はリン酸鉄リチウムイオンが使われているので、「安全性の高い」蓄電池です
- 次世代LiFePO4安定型セル採用
- 消火モジュール内蔵による火災対策
変換効率
- ファーウェイの蓄電池は、JIS変換効率が97%、また最大変換効率は98%だとされています
- 他の一般的な家庭用蓄電池の変換効率は94%ほどだとされているので、ファーウェイ製蓄電池の変換効率の高さが分かると思います
保証・サイクル数
- 蓄電池の基本保証10年間
- 充放電サイクル：12,000回（業界トップクラス）
ファーウェイ蓄電池の5つの特徴・メリット
1. 実効容量100%使用可能
ファーウェイ蓄電池は実効容量（実際に使用できる容量）をあらかじめ表記しています。つまり同じカタログスペックでも一般的な蓄電池の約1.2倍もの容量が使えるので20％もお得に感じるところです。
一般的な蓄電池との比較
- 一般的な蓄電池：表示容量の80-90%が実際の使用可能容量
- ファーウェイ蓄電池：表示容量の100%が使用可能
2. 独自の安全技術「AIスマートアーク保護」
直流アークを検出して、制御できる機器は他メーカーでは持っておらず、ファーウェイの独自技術になります。
安全機能の詳細
- 直流アーク検出：0.5秒以内に検出・遮断
- 火災リスクの大幅軽減
- 業界唯一の技術
3. 耐寒性能の高さ
一方、HUAWEI LULNA2000は、蓄電池ユニット一つずつにヒーターが内蔵されているのでマイナス20℃でも充放電ができます。
4. ファンレス設計による長寿命化
ファーウェイのパワーコンディショナのすごいところはファンが必要ない構造なので、冷却ファンによる故障リスクを避けられますし、壊れにくい構造になっています。
従来製品との違い
- 一般的なパワコン：冷却ファン必要、10-15年で交換
- ファーウェイ：ファンレス設計、長寿命化
5. 段階的増設対応
ファーウェイの蓄電池は段階的な増設にピッタリなので、初めは費用を抑えて設置し、必要に応じて容量を増やしていくことができます。
増設のメリット
- 初期投資の軽減
- ライフスタイル変化への対応
- 最大30kWhまで拡張可能
他社蓄電池との比較分析
価格比較
| メーカー | 容量 | 価格目安（工事費込） | kWh単価 |
|---|---|---|---|
| ファーウェイ | 10kWh | 120-150万円 | 12-15万円/kWh |
| ニチコン | 11.1kWh | 180-220万円 | 16-20万円/kWh |
| パナソニック | 11.2kWh | 200-250万円 | 18-22万円/kWh |
| シャープ | 9.5kWh | 170-210万円 | 18-22万円/kWh |
※価格は販売店により異なります
性能比較
変換効率
- ファーウェイ：98%（業界最高水準）
- 国産メーカー平均：94-96%
サイクル数
- ファーウェイ：12,000回
- 国産メーカー平均：6,000-8,000回
保証期間
- ファーウェイ：10年（延長5年オプション）
- ニチコン：10年（延長15年オプション）
- パナソニック：10年
ファーウェイ蓄電池のデメリット・注意点
1. アフターサポートの特殊性
ファーウェイと販売店の間には卸売業者が存在するので、販売店がファーウェイと直接連絡を取ることができません。
対策
- 実績豊富な販売店選び
- アフターサービス体制の事前確認
2. 専用モニターの非提供
ファーウェイの蓄電システムでは、専用モニターが提供されておらず、運転状況は、アプリやWebサイトから確認します。
3. ハイブリッド型のみの展開
既存の太陽光発電システムに蓄電池のみを追加で設置する場合には単機能型の方がトータルコストが安くなる可能性があります。
4. 重塩害地域での制限
蓄電池は重塩害地域対応でない点に注意が必要ですが、屋内設置が可能なため、幅広い設置方法が検討できます。
最適な容量の選び方｜5kWh・10kWh・15kWhの使い分け
容量選択の基準
太陽光発電の余剰発電電力で蓄電池を充電することで、発電電力を最大限に自家消費でき、高い費用対効果を実現できます。
簡単計算式
- 太陽光パネル容量 × 1,100時間 = 年間発電量
- 年間発電量 ÷ 365日 = 1日の発電量
- 1日の発電量 – 昼間の自家消費量 = 余剰発電量
家族構成別推奨容量
| 家族構成 | 推奨容量 | 理由 |
|---|---|---|
| 1-2人世帯 | 5kWh | 基本的な夜間使用をカバー |
| 3-4人世帯 | 10kWh | 標準的な家庭の余剰電力に対応 |
| 5人以上・オール電化 | 15kWh | 大容量使用・200V機器対応 |
停電対応での選択
特定負荷型
- 5-10kWh推奨
- 重要機器のみ対象
- コスト重視
全負荷型
- 10-15kWh推奨
- 家全体をカバー
- エコキュートやIHクッキングヒーターなど200Vの機器も利用可能となります
価格相場と導入費用
詳細価格内訳
5kWh システム
- 機器代：80-100万円
- 工事費：20-30万円
- 総額：100-130万円
10kWh システム
- 機器代：100-130万円
- 工事費：20-30万円
- 総額：120-160万円
15kWh システム
- 機器代：130-170万円
- 工事費：25-35万円
- 総額：155-205万円
費用を抑えるコツ
- 相見積もりの実施
- ファーウェイ蓄電池を低価格で導入するコツは相見積りです
- 3-5社での比較検討
- 補助金の活用
- 国のDR補助金
- 自治体補助金
- 合計で20-50万円の補助
- 販売店選びのポイント
- 施工実績の確認
- アフターサービス体制
- 保証内容の比較
経済効果シミュレーション
卒FIT後の経済効果
既に太陽光発電を設置済みで10年間の売電期間が終わり、新たにファーウェイ蓄電池を購入する方は、10年間で1,303,877円相当の経済効果が得られます。
計算例（10kWhシステム）
- 設置費用：150万円
- 年間メリット：13-15万円
- 回収期間：10-12年
- 15年間総メリット：190-220万円
電気代削減効果
月間削減額の目安
- 5kWh：8,000-12,000円/月
- 10kWh：15,000-20,000円/月
- 15kWh：20,000-28,000円/月
補助金制度と申請方法
2025年度補助金情報
国のDR補助金
- 補助額：蓄電容量1kWhあたり3.7万円
- 上限額：111万円
- 2025年(令和7年)の蓄電池のDR補助金はただいま受付中です。短期間で予算満了となる可能性が高いです
主要自治体の補助金
| 自治体 | 補助額 | 上限 |
|---|---|---|
| 東京都 | 10万円/kWh | 120万円 |
| 神奈川県 | 1.5万円/kWh | 15万円 |
| 愛知県 | 5万円/kWh | 25万円 |
申請の流れ
- 事前準備
- 設置場所の確認
- 必要書類の準備
- 申請手続き
- 工事前申請（多くの自治体）
- 販売店による代行申請可能
- 完了報告
- 工事完了後の報告
- 補助金交付
設置工事とメンテナンス
設置工事の特徴
HUAWEIの蓄電池は、蓄電池ユニットおよび付属のコンバーター等部材を、分割して運搬することが可能なため、従来の蓄電池では設置場所への搬入が難しかったお家にも、クレーン車等は不要で設置ができます。
工事のメリット
- クレーン不要の分割搬入
- 狭小地での設置可能
- 工事費用の削減
設置場所の選択肢
屋内設置
- 温度変化の影響を受けにくい
- 機器の長寿命化
- メンテナンス性良好
屋外設置
- 設置スペースの確保しやすさ
- 屋内スペースの有効活用
メンテナンス
定期点検
- 年1回の目視点検
- アプリでの稼働状況確認
- 必要に応じた清掃
長期保証
- 10年間の製品保証
- 有償延長保証（5年）
- 自然災害保証オプション
管理アプリ「Fusion Solar」の活用
アプリの主要機能
専用アプリ「Fusion Solar」で発電量・蓄電池の状況・消費電力をお手持ちのスマートフォンで確認できます。
機能一覧
- リアルタイム発電量表示
- 蓄電池残量確認
- 消費電力モニタリング
- 運転モード切替
- 履歴データ閲覧
スマートフォン対応
ファーウェイはAndroidOSのスマートフォンやiPhoneで電気の蓄電状況を確認できます。特にアンドロイドの方がiPhoneよりも先に内容の改修がされています。
他社からの乗り換え検討
既存システムとの互換性
対応可能ケース
- 新規太陽光＋蓄電池設置
- ハイブリッド型対応パワコンからの更新
注意が必要なケース
- 既存単機能パワコンとの連携
- 他社製蓄電池からの更新
乗り換えメリット
- コストダウン
- 機器費用20-30%削減
- 高変換効率による電気代削減
- 機能向上
- 最新安全機能
- スマートフォン連携
よくある質問（FAQ）
Q1: ファーウェイ製品の信頼性は大丈夫？
ファーウェイの蓄電池は、JETの認証を受けており、日本の安全基準に準拠していることが認められています。また、パワーコンディショナでは世界シェア1位の実績があります。
Q2: 停電時の使用時間はどのくらい？
容量と使用機器により異なりますが、目安として：
- 5kWh：12-18時間（基本的な照明・冷蔵庫）
- 10kWh：24-36時間（一般的な生活家電）
- 15kWh：36-48時間（オール電化対応）
Q3: 塩害地域での設置は可能？
沿岸から500ｍ以内の屋外設置は延長保証の対象外になります。通常のメーカー保証であれば対応可能。屋内設置であれば問題ありません。
Q4: 増設時期の制限はある？
ファーウェイの蓄電池はそれぞれの蓄電池が独立して機能します。そのため、古い蓄電池と併用しても新しい蓄電池が性能を発揮できます。時期の制限はありません。
Q5: 保証内容の詳細は？
- 蓄電池本体：10年保証
- パワーコンディショナ：10年保証
- 施工保証：販売店により異なる
- 有償延長保証：5年追加可能
まとめ：ファーウェイ蓄電池がおすすめの理由
総合評価
ファーウェイ蓄電池LUNA2000シリーズは、以下の方に特におすすめです：
こんな方におすすめ
- コストパフォーマンスを重視する方
- 国産品と比較して20-30%のコスト削減
- 高い変換効率による長期的メリット
- 段階的導入を検討する方
- 5kWhから開始し、必要に応じて増設
- ライフスタイル変化への柔軟対応
- 最新技術を求める方
- 独自の安全技術
- スマートフォン連携機能
導入成功のポイント
- 複数社での相見積もり実施
- 補助金制度の最大活用
- 信頼できる販売・施工店の選択
- 長期的な経済効果の計算
最終的なアドバイス
家庭用蓄電池を検討されている方は、相場価格を知るためにもファーウェイ蓄電池の見積金額を知らないと損をします。価格比較の基準として、また実際の導入候補として、ファーウェイ蓄電池は必ず検討リストに入れるべき製品といえるでしょう。
蓄電池は10-15年という長期間使用する設備投資です。初期費用だけでなく、長期的なメリットとコストを総合的に判断し、ご家庭に最適なシステムを選択することが重要です。
次のステップ まずは無料見積もりを複数社に依頼し、具体的な導入プランと費用を確認することから始めてみましょう。補助金の申請期限も考慮しながら、最適なタイミングでの導入を検討してください。
この記事は2025年6月時点の情報をもとに作成されています。補助金制度や価格は変動する可能性がありますので、最新情報は各販売店にご確認ください。
